- 蚕の幼虫はそのままでは大きくなれないので、4回大きな脱皮をして成長し糸を吐いてまゆを作ります。糸を吐くために蚕はまず足場糸を吐き、位置を決めてから首を8の字に振ってまゆを作っていきます。これが繊維に細かなうねりを与えるのです。
- 糸を取り出しやすくするために、まゆを煮て軟らかくします。軟らかくなった繭からは一本の糸がほぐれてきます。生糸は10粒前後の繭から引き出した糸を引きそろえたものです。この数によって生糸の太さが違ってきます。
- 生糸を何本か引きそろえ、撚糸(ねんし)にします。この撚糸をタテ・ヨコに組み合わせて、特殊な編み機・織り機によって編み物・織り物にします。撚糸の種類や編み方・織り方によって生地の厚さや肌ざわりが異なります。
- 生地が編みあがってから染色・縫製まで工場で一貫生産しています。まず、先上げサンプルを作成し、縫製やサイズ・色などを確認します。全てのチェック項目をクリアしてから裁断に入ります。裁断は、商品の伝線を防ぐ為に生地を一方方向に裁断しています。
- 裁断後は専用ラインにて本生産に入ります。この時必ず、日本より専任の担当者が現地へ赴き、縫製指導にあたっています。
- 商品を出荷する前に縫製工場で検品・検針作業を行います。さらに、日系企業の検品専門工場にて商品の全量検品・検針をしております。検品作業時も、もちろん日本より専任の担当者が現地へ赴き、その都度検品指導にあたっています。
- こうして厳しい検査を通過した商品のみを輸入し、皆様の元へお届けしています。もちろん、お客様からのご注文後、発送準備の際も当店にて検品作業をしております。
- 天竺(てんじく)編み
- 天竺編は平編(ひらあみ)ともいい、もっとも基本的な編み方の1つです。編み地の表面はループ状で現れるのが特徴です。
- リブ編み
- リブ編みはゴム編みともいい、表編みと裏編みを交互にした編み方です。伸縮性がありフィット感に優れています。
- スムス編み
- 両面編みの一種でインターロック編みともいいます。表裏同一でなめらかな肌ざわりが特徴です。
- サテン
- サテンとは別名「繻子」(しゅす)といい経糸が生地表面に多く出た織物で、光沢があり滑らかな素材感が特徴です。
シルクとは
シルクとは、カイコが吐き出す18種類のアミノ酸を含んだタンパク質の天然繊維です。シルクは天然繊維の中で最も細く・長い繊維で、カイコが吐く糸は約1,500mもの長さになると言われています。またこの糸は大変軽く、1万mの重さが約3gです。シルクはタンパク質の「フィブロイン」と「セリシン」と言う物質から形成されています。核となる「フィブロイン」とそれを取り巻く「セリシン」の二重構造になっています。水に溶けない性質のフィブロインと水溶性のセリシンの互いに異質のタンパク質で構成されています。この特徴は他の繊維には無い大きな特徴です。1本のフィブロインは約1,000本以上の細かい繊維の束から出来ており、この様な構造がシルクの柔らかな肌ざわり、風合いを生んでいるのです。
お肌に優しい天然繊維
シルク繊維は人間と同じタンパク質から出来ています。化学繊維などに比べて弊害を起こさない点が最大の良さです。シルク繊維は体から出た汗や毒素を吸収してくれる役割があると言われています。シルクのアミノ酸が皮膚細胞を活性化させる力があるそうなので美肌効果も期待出来るそうです。
夏涼しくて・冬暖かいシルクの秘密
シルクが夏涼しくて・冬は暖かいのは何故か?のヒミツをお教えします。シルク繊維は三角形の構造をしています。その三角形が何本も重なり合い一本の繊維を構成しています。その重なり合った無数の繊維の隙間に空気の層を多数含んでいます。この構造が吸収性・速乾性・放湿性にとても優れています。吸湿性は綿素材の約1.5倍あると言われており、体から出た汗などの水分をすばやく吸収し、衣類の外側に放湿してくれます。夏の暑い時に汗をかいても肌表面はサラッとしていて、温度を一定に保ってくれるのです。それとは逆に冬は肌表面から逃げようとする体温を繊維の隙間に熱を蓄えて、保持してくれるので薄くても保温性は抜群です。
シルクの弱点・・・
シルクの弱点は摩擦です。衣類の耐久性を左右する性質を耐摩擦性、または摩擦強度といいます。シルクは他の繊維に比べてこの摩擦強度が悪いのです。洗濯に対しての弱さもありますが、長くご愛用頂く為に「シルク製品のお手入れ方法」をご覧ください。
- (1)水または30℃位までのぬるま湯に「中性洗剤」をよく溶かし、洗濯機をご使用の場合はネットに入れてから弱流で洗ってください。手洗いの場合は、手で押し洗いして下さい。
※濃色製品は単独で洗濯して下さい。
※弱アルカリ性洗剤、酵素入り洗剤、漂白剤は使用しないで下さい。
- (2)洗いジワを伸ばし、形を整え日陰干しにして下さい。
※直射日光・蛍光灯下での長時間放置はお避け下さい。
※乾燥機のご使用はお避け下さい。
※素材の特性上、濡れたままで長時間他の洗濯物と一緒に置いておくと、色落ち・色移りする恐れがあります。
- (3)アイロンをかける時は当て布をして、120〜130℃程度の中温で軽くかけてください。※スチームアイロン、乾燥機のご使用はお避け下さい。
- (4)保存方法は「汚れ」「湿気」「虫食い」「光」等を防ぐ事がポイントです。よく乾燥させた後、重ねすぎず収納して下さい。クリーニング店から戻ってきたビニール袋に入ったままで保管すると、ムレやカビの元になりますので取り外しましょう。防虫剤は生地に直接触れない様にして1種類の防虫剤を使用して下さい。(複数の防虫剤を使用すると相互の効果で防虫効果を妨げたり、シミの原因にもなります。)